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掛け軸の選び方
飾っておくだけで家の雰囲気を良いものにしてくれるのが掛け軸の魅力です。
せっかく飾るのだからなるべく素晴らしい掛け軸を飾りたいものですが、一体どんな基準で選べばよいのでしょうか?
今回は、掛け軸の選び方と選ぶポイントについて紹介します。
掛け軸は描かれている内容によっていくつかの種類に分類されています。基本的には好きなものを飾ってよいのですが、部屋の雰囲気や目的、飾る時期にあわせたものを選ぶのが選び方のポイントになります。一番簡単な選び方としては、四季の季節に合った掛け軸を飾ることです。春には春の、秋には秋の掛け軸を飾れば季節感を演出して部屋と掛け軸が見事に調和してくれますし、誰が見てもおかしくない素晴らしい床の間になるでしょう。
めでたい時には松竹梅や鶴亀などお祝い用の縁起の良いものを、節句には節句にあった絵柄のものを選ぶのもよい選び方です。掛け軸はちゃんと時期ごとにあった絵柄というのが分類で決まっていますから、その時その時で一番ふさわしいものを選んで飾っておけばまず間違いありません。
いろいろな掛け軸を用意して季節ごとに掛け替えるようにすると、選び方の楽しみは大きく広がります。イマイチだと思っていた絵でも季節に合わせて掛け替えることで本来の魅力を十二分に引き出すことができますし、来客があった時などは季節ごとの絵でおもてなしをすることもできます。
季節の絵などは季節ごとに掛け替えたほうが好ましいですが、一年中飾っておいても問題ない掛け軸もあります。七福神や専任などが描かれた縁起物・吉祥図とされるものは一年を通じて飾っても全く問題のないものですし、風景画、山水画などもどの季節にもマッチする掛け軸です。選び方がわからないときは一年中飾れるものを用意して飾っておくのも一つの選び方といえるでしょう。
どのような目的で飾るのかによっても選び方を変えなくてはいけません。魔よけの意味を込めるなら勇猛な絵を、心穏やかになる落ち着いた部屋にしたいのなら優雅で爽やかな絵がふさわしくなります。選び方を間違えると部屋の雰囲気を下げてしまうことになりかねませんから、どんなものでも飾ればよいというわけではありません。
描かれている内容に注目するのは一番重要な選び方ですが、現実問題として飾る場所があるかどうかは大きな問題です。せっかく気に入ったものを見つけたとしても大きすぎれば場所に収まらず飾るのが難しくなってしまいますし、小さすぎると場所とのバランスが崩れ本来の魅力を引き出すことができません。選び方のポイントとして、問題なく飾ることができるサイズかどうかという点にも注目しておきましょう。
スタンダードなのは尺五立と呼ばれる縦191cm、横61cmのサイズです。この大きさなら横幅が一間ある通常サイズの床の間にピッタリとおさまって掛けることができますから、尺五立サイズのものを中心に選んでおけばまず間違いありません。一間の横幅がある床の間なら広さも十分ですから、尺五横や尺八横のように横幅の広い物でもきちんと飾ることができます。
マンションなどにしつらえられている床の間は通常サイズの半分、半間サイズが多いため飾れるサイズは限られてしまいます。一般的な尺五立なら問題なく飾ることができますが、横幅の広いものはうまく飾れないことがあるので注意が必要です。
選び方を考えるときに忘れてはいけないのが予算の問題です。掛け軸の価格はピンキリで、安いものは数千円から高いものは数百万円まで非常に大きな差があります。
あまり安物を飾ってしまうと品格を下げてしまいかねませんが、高価な品を飾ればよいというものではありません。世の中には安価な本物もあれば高価な贋作も存在します。素人が真贋を見極めるのは難しいですが、信頼できるお店を見つけたら最初に予算を決め、予算の範囲内でできるだけ希望にあった質の良いものを選ぶのが賢いやり方です。