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掛け軸の図柄別種類のご紹介

掛け軸の図柄はある程度分類することが可能で、代表的な種類というと思ったほど多くはありません。はじめて飾りたいと考えている場合の方は特に参考にしてみてはいかがでしょうか。

まず掛け軸の図柄の一つとしてあがるのが花鳥画です。その名の通り花と鳥を描いたものを想像すると思いますが、それだけでなく木々と鳥や、花と蟲、花と猫なども花鳥画の一種として考えられています。もともと中国から伝来した種類ですが、独自の進化をとりいれており、日本らしい大和絵の手法をとりいれたものが多く残っています。
次にあげるのが龍虎です。虎の図柄は掛け軸によく登場する種類でインパクトもあるので印象深いのではないでしょうか。とにかく迫力があり強そうな虎の絵柄は、飾るだけで魔除けや家内安全の効果があるとされており、非常に好まれてきました。あの鋭い眼光は家主たちをにらんでいるのではなく、見守られていると考えられていたわけです。もう一つが龍ですが、こちらも非常に迫力があります。何しろ伝説上の生き物ですから神の使いや霊獣として扱われておりこの図柄は強大な力を表しており、龍を飾ることで家に大きな力を呼び込無事が出来ると考えられていました。つまり、虎は魔除けやお守りといった意味合いの強い種類であり、龍は運気の向上やより強い自分へといった願いが込められる図柄になります。

日本らしい掛け軸の図柄といえば、やはり富士は欠かせません。一口に富士といっても富士山は見る方角によって様々な顔をもっているので、図柄としての構図も一定ではなく、湖があったり山林から覗いていたりと様々です。日本の象徴ともいえる種類ですから、壮大さや美しさを求めて飾る方が多く、とても人気のある絵柄であると言えるでしょう。特にこの方角からみた富士が良いということはありませんが、珍しい構図としては夕暮れの富士を描いた赤富士などがあります。

富士とは対照的に日常的な花を描いた掛け軸も存在しますが、こちらの種類の一つとしては季節の花を表しているものがあり、、春夏秋冬そろえて、季節ごとにかける掛け軸をかえるというのが風流であるという考え方もあれば、一つの自然画として飾られる場合もあり楽しみ方は様々。また中国から伝来した四君子という図柄のもあり、この掛け軸は、竹や梅、菊や蘭を題材としています。たんに松竹梅を描いたものもあり、荘厳で美しい図柄となっています。

四枚そろえて飾るものとしては、冒頭にあげた花鳥画も好ましく、四季花鳥といって、四季折々の花と動物をあしらった図柄の掛け軸を4種揃え、かざるという形も美しく人気があります。基本的に作者を揃えなくてはいけないというルールがあるわけでもないので、気にいった雰囲気の花鳥画を季節ごとに選び、飾れば良いでしょう。美しさだけでなく季節感を出せるので、非常に好まれる掛け軸の楽しみ方のひとつです。1枚をずっと飾るのはさみしいというかたにおすすめです。

このように掛け軸の種類といえば、季節感のあるものや美しい自然をあらわすもの、猛々しい獣や幻獣を描いたものもあれば花鳥のように美しい植物と動物をセットにした構図のものもあります。絵柄の種類を選ぶときにこうしなくてはならないというルールがあるわけではないので、気に入ったものを飾ると良いと思いますが、魔除けであれば虎、運気アップや向上心を表す形としてならば龍ということは覚えておいて損はありません。もちろんこれらをそういった意味合いとは関係なく力強く美しいからという意味合いでかざるのもありなので、目的なくかざってはけないという事もありませんし、四季折々の草木をあらわした種類においても、季節を揃えなくてはいけないというきまりもありません。

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