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臨済宗と南無釈迦牟尼仏
臨済宗と南無釈迦牟尼仏の意味
臨済宗は元々、唐の時代の中国において生まれた宗派です。
臨済義玄(りんざいぎげん)を宗祖とし、宋の時代(日本では鎌倉時代)に中国へと留学した栄西によって日本国内に持ち込まれ、のちに中国から渡来してきた僧侶たちにより、臨済宗の寺院が数多く建立されました。更にその後、江戸時代の中期に現在の教えにも連なる修行の仕組みを完成させた白隠慧鶴(はくいんえかく)の働きによって、日本的な禅の宗派として定着していきます。
「南無阿弥陀仏」のお念仏(六字名号)や「南無妙法蓮華経」のお題目のように、臨済宗にもお唱えする言葉が存在します。それが「南無釈迦牟尼仏」です。釈迦牟尼仏とは仏教すべての宗派の祖であるお釈迦さまのことで、南無釈迦牟尼仏という言葉には、お釈迦さまに帰依する(南無は帰依の意)という意味が込められています。
ここには、師から弟子に対して悟りを伝えていくことを重視する臨済宗ならではの考えが強く含まれています。お釈迦さまを本師釈迦如来大和尚と呼び、禅そのものの開祖であるボーディダルマのことを初祖菩提達磨大師、また、臨済義玄を宗祖臨済大師と呼ぶように、師と弟子は常にひとつに繋がっています。そこから、仏教における最も尊い師であるご本尊・お釈迦さまへの帰依を表す南無釈迦牟尼仏という言葉を重んじるようになったのです。