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掛け軸の肉筆・印刷の見分け方
肉筆とは?印刷とは?
肉筆とは、作者本人が直接書いた書や絵のことを指します。掛け軸には、肉筆のものと印刷のものの2種類があります。特に作家本人が描く掛け軸は技術と時間を必要とするため非常に高価です。世の中に一点しかないからこそ肉筆の掛け軸というものは、希少価値が高く、値段も高価になりがちです。そのため、安価で販売されている掛け軸の多くが印刷であると言えるでしょう。一般的に「工芸画」とか「複製画」という言葉が使われている作品は、印刷のものです。
肉筆と印刷、その見分け方
肉筆の掛け軸と印刷の掛け軸を見分けるための大きな違いは、「作者の癖」が見られるかどうかです。しかし、昨今の加工技術は高いため、完璧な判別をするには高度な知識と経験が必要とされます。まず、判別する際によく見られる箇所として、文字の「止め」「はらい」「曲げ」の部分が挙げられます。この方法では、同じ作者の作品を何作か比較した上で文字の個性や特徴を掴む必要があるため、すぐに判断することはできません。また、インクや墨などの絵具から判別するという方法もあります。実際に触れて質感や匂いで肉筆か印刷かを判断するのです。パソコンのインクなど身近にあるものが使われている場合、印刷だとすぐにわかることもあるようです。いずれも写真や画面上で判別することは困難であり、専門家でも実際に手に取ることが不可欠とされています。他にも「滲み」や「色合い」なども判断する材料となることがありますが、素人が判断することは難しいでしょう。