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中国の山水画と日本の山水画の違い
中国での山水画とは?
山水画とは、山や河川などの自然の風景を題材とした絵画のジャンルです。中国における山水画の起源は、山や河川が宗教的な象徴の意味を込めて描かれていたことからはじまったとされています。さまざまな革新を経て、北宋時代に山水画は全盛期を迎えます。平遠・高遠・深遠の三遠法という遠近法が確立され、その手法は多くの山水画で用いられるようになります。いずれの時代も風景画としての性質とは異なり、特定の地ではなく創造した景色が描かれていることが特徴です。
日本での山水画とは?
対して、日本での山水画は、当初は中国山水画の影響を受けながら描かれていました。しかし、山水画の最盛期である鎌倉時代に、雪舟によって中国画の模倣から脱した実景描写の日本的な山水画が描かれました。これを発端とし、次第に日本独自の山水画の文化が生まれていきます。日本での山水画は、他の花鳥画や人物画などと同様に装飾的になり、大和絵との融合から日本画とも称さるべき山水画様式がつくられるようになったのです。
中国と日本の掛け軸の違い
掛け軸には山水画がよく用いられていますが、中国製の掛け軸と日本製の掛け軸には少し違いがあります。日本で作られているものは、四季を感じられるものとして作られることが多いのですが、中国で作られているものは、山の良さを前面に出しているようなものが多くあります。この違いは、絵を見れば一目瞭然です。日本のものは情景がわかりやすく、中国のものは「山」に重きを置いているという違いがあるためです。また、その他の違いとしては、山水画の装飾が派手になっているかどうかという点が挙げられます。中国のものは、基本的に質素であり、山の情景をありままの姿を写し取っているかのように感じられます。対して、日本のものは、独自の文化の発展により鑑賞という観点が加わったことにより、やや派手に装飾されています。掛け軸で多く描かれている山水画ですが、基本的に中国と日本では描き方に違いがあり、「山をどのように考えるのか」「四季を感じられるか」などの点を見れば、それぞれの特徴を感じられるようになっています。
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