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茶道と掛け軸の関係
茶道で好まれる掛け軸とは?
茶道と言えば、茶碗や茶筅を思い浮かべる人が多いと思いますが、実際に茶道に親しむようになると強い存在感を放ってくるのが掛け軸です。掛け軸は、茶道においては掛物(かけもの)とも呼ばれます。茶室に入った際、真っ先に掛け軸に目が行くと言う人も多く、茶道と密接な関わりを持っていると言えるでしょう。掛け軸は、茶席において最も大切な道具とも言われており、茶道の根底にある「禅の文化」を表す禅語が書かれていることがほとんどです。よく知られている「一期一会」「和敬静寂」「日々是好日」などの言葉も禅語であり、茶道では特に好まれています。また、言葉だけではなく、「円相」と呼ばれる記号の丸(○)が描かれている掛け軸も、茶道ではよく用いられます。悟りや真理といった禅の心をを象徴的に表現したものとされ、欠けたところがなく余ることのない様子を表しています。
家元の書は別格の扱い
茶道の掛け軸では、何が書かれているかというだけではなく、誰が書いたかという点も重要視されます。意外なことに、文字に対する好みや上手下手という感覚では、良し悪しを決めることはありません。誰が書いたのかという点がより重視されるべきだと考えられているためです。中でも、流派を大切にする茶道において家元の自筆の書で作られた掛け軸というのは、何代にも渡って大切に使われている貴重なものです。他にも天皇家ゆかりの人物、歌人や武将や文人などさまざまな人物が書いた書が掛け軸として使われています。
なぜ茶室に掛け軸を飾るのか?
茶室に掛け軸を掛ける理由は、神聖な空間に格式の高いものを飾るべきとの考えからと言われています。しかし、それだけではなく、同時に茶道の心・禅の心を理解するための拠り所にするという意味もあります。茶席の主人が「どのようにお客様をもてなしたいか」を掛け軸に書かれている言葉を使って表現するため、掛け軸の言葉というのは茶席ではとても重要なのです。禅の心が書かれている掛け軸の言葉の本質を読み解き、楽しむことも、茶道の楽しみのひとつであると言えるでしょう。
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