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掛け軸はどこにかければよいのか
「初めて掛け軸を買ったのですが、どこにかければいいのでですか?」「マンション住まいなので、かける場所が見当たりません。どうしたいいのですか?」といった質問をよく受けます。
端的にお答えすれば、「もっとも一般的な掛け軸をかける場所は床の間です」ということになります。
和室の壁面寄りに、畳面よりも一段高くしつらえられたスペースがありますが、あれが「床の間」。室町時代に主君が面会する際に坐した「上段の間」がそのルーツとされ、のち茶室に用いられて、現在のような床の間になったとされています。
茶道では床の間をいかに飾るかが大変重要なテーマになりましたが、その最重要アイテムの一つが掛け軸でした。ですから、家に和室があり、床の間がしつらえられているなら、そこが掛け軸をかける場所になります。
ただし、現在は和室のない家のほうが多数派でしょう。その場合は、リビングなどの洋室にかけてもまったく問題はありません。昨今は外国人も掛け軸を日本土産に買うこともあり、ほとんどの人は洋室にかけて楽しんでいるようです。
おすすめなのが「床の間っぽい一工夫」をすること。たとえばマンションのリビングの壁にかけたら、その足元に小さな畳を敷いたり、白木の板で小さな「床」を作ってみてはどうでしょうか。
つまり、そのスペースを「ミニサイズの床の間」に見立てるのです。こうすれば、洋室ともなじみなすし、よりおしゃれな印象になるにちがいありません。